火山の女神ペレにまつわる神話やフラソングについて
ハワイ島のキラウエアに住むと言われる火山の女神ペレは、フラダンサーにはお馴染みの存在かもしれません。
そんな彼女の誕生や神話、フラソングについて書いていこうと思います。
火山の女神ペレの誕生
まずは火山の女神ペレの誕生について。 諸説ありますが、ここではハワイ文化を伝えているオイヴィTV(ʻŌiwi TV)の動画をソースとします。
ハワイには日本と同じように八百万の神がいて、ハワイ島キラウエア火山のハレマウマウ火口(Halemaʻumaʻu Crater)に住んでいるのが、火の女神ペレ(Pele)です。
火の女神ペレは、父クーヴァハイロ(Kūwahailo)と母ハウメア(Haumea)の間に、カヒキ(Kahiki、おそらく現在のタヒチ)で産まれました。 ペレの父親についてはカネホアラニ(Kanehoalani)や他の説もありますが、オイヴィTVではクーヴァハイロとされています。
火山の女神ペレがキラウエア火山に住み着くまで
ペレは小さな頃から美しく特別な力を持っていたので、海の女神である姉ナマカ(Nāmaka)はずっとペレをライバル視していました。
親にのちにヒイアカ(Hiʻiaka)として生まれる妹の卵を託され、旅に出ます。
ちなみにこのヒイアカの本名はヒイアカイカポリオペレ(Hiʻiakaikapoliopele)で「ペレの胸に抱かれたヒイアカ」という意味。
カヒコ(古典フラ)の歌の最後によく「He inoa no Hiʻiaka i ka poli o Pele」という歌詞が出てきますが、これは「ペレの胸に抱かれたヒイアカに捧げる」という内容になります。
ペレはヒイアカの卵を抱き、カウアイ島、オアフ島、モロカイ島、ラナイ島と定住できる場所を探します。 ペレへの嫉妬を高めるナマカが追いかけ、ついにマウイ島で対決。ペレは敗北し、魂がハワイ島キラウエア火山に飛んで行き、定住したとのことです。
ペレの髪の毛と涙
世界遺産でもあるハワイ島のキラウエア火山国立公園で、ペレの髪の毛や涙と言われるものを見ることができます。
吹き出したマグマが空気中で冷えて繊維状に固まったのがペレの髪の毛、少しゆっくり冷え固まって細長い形になったのがペレの涙と言われています。
ペレの好物オヘロベリー
ペレの好物だというオヘロベリー(ʻŌhelo berry)。オヘロはツツジ科の植物でハワイ固有種です。
見た目は同じツツジ科のコケモモ(マウンテン・クランベリー)にとても似ているので、近い種類なのだと思います。
キラウエア火山で見つけても勝手に摘んで食べたりしないようにしましょう。
どんな味なんだろうと気になる方は、ハワイ島でジャムとして売られていますので、ジャム専門店やファーマーズマーケットで探してみてください。
火山のペレに関するフラソング
キラウエア(Kīlauea)
ペレといえば真っ先に思い浮かぶんだのがカヒコ(古典フラ)の「キラウエア(Kīlauea)」。
キラウエア火山にはペレという名前の火の女神が住んでいて、彼女が移動すると地面がひび割れ、そしてプナの海に流れるという内容が語られたカヒコソングです。
メリーモナーク・フェスティバルでフラ・ハラウ・オ・カムエラがキラウエアを踊っていた動画をみたことがあるのですが、鳥肌が立ったのを覚えています。
アイア・ラー・オ・ペレ(Aia lā ʻo Pele)
ナー・パラパライ(Na Palapalai)が歌うバージョンが有名ですが、アウアナ(現代フラ)向けにアレンジされたトラディショナルな「アイア・ラー・オ・ペレ(Aia lā ʻo Pele)」。
タイトルを訳すと「そこにはペレがいる」で、歌詞ではペレがプナを食べ尽くしたり(溶岩がプナを焼き尽くすという意味)、パリウリ、マウイ島、ラナイ島を移動していく様子が伺えて、後半では「安らぎはどこ?」という歌詞が出てきて戦いに負けてハワイ島に住むまでのペレのストーリーも描かれています。
ちなみにパリウリというはハワイの伝説上の楽園や桃源郷で、実在はしませんが度々フラソングに登場します。
カ・ナニ・アオ・キラウエア(Ka Nani Aʻo Kilauea)
ウェルドン・ケカウオハ(Weldon Kekauoha)の「カ・ナニ・アオ・キラウエア(Ka Nani Aʻo Kilauea)」はハワイ島にあるキラウエア火山の美しさを歌った曲。
ペレが主役のフラソングではないですが、ペレが大事にしているハレマウマウという家、という歌詞が出てきます。
やっぱりハワイ島やキラウエアといえばペレであることが理解できますよね。