ハワイの鉄道「ホノルル・レール・トランジット」は2023年にいよいよ開通?

▼2023年1月8日(日)更新

何年も開通が未定だったハワイ初の鉄道「ホノルル・レール・トランジット(Honolulu Rail Transit)」ですが、いよいよ2023年に開通というニュースが飛び込んで来ました。

ホノルル・レール・トランジット(通称HART)のCEOであるLori Kahikina(ロリ・カヒキナ)氏によると、2023年3月もしくは4月にイースト・カポレイ駅からハラワのアロハスタジアム駅まで運行を開始する予定とのこと。

試運転の際に起こった通信ソフトウェアの問題は日立が専門家と共に解決する見込みだそうです。

目次

「ホノルル・レール・トランジット」建設の目的は?

ハワイの鉄道「ホノルル・レール・トランジット」は2023年にいよいよ開通?

オアフ島西側のカポレイやエヴァはベッドタウンとして開発が進み、それに伴い通勤や通学によって州間高速道路ハワイ1号線(通称H1)の渋滞が年々悪化。

そんな渋滞を解消すべく、2005年にホノルル高速交通公社(HART:The Honolulu Authority for Rapid Transportation)が設立され、2014年からハワイ初の鉄道「ホノルル・レール・トランジット(Honolulu Rail Transit)」の建設が始まりました。

ルートはイースト・カポレイからアラモアナまでで、地下鉄ではなく高架鉄道となります。 ダニエル・K・イノウエ国際空港(旧ホノルル国際空港)からアラモアナセンターからまで約16分、スーツケースやサーフボードも持ち込み可能なので、カカアコやアラモアナに滞在する際は移動が楽になりますね。

ハワイ大学(UH)とコミュニティ・カレッジの3つのキャンパスにも停車するため、留学生を含む学生にとっても便利な足となるのではないでしょうか。

運賃はザ・バス(TheBus)と同じ料金形態を採用で、通勤ラッシュの時間帯は約5分ごと、それ以外は約11分ごとの運行となるようです。

「ホノルル・レール・トランジット」情報とJR山手線を比べてみたら…

「ホノルル・レール・トランジット」のスペックですが、それだけ書いてもピンと来ないかもしれないので、JR山手線と比較してみます。

内容 ホノルル・レール・トランジット JR山手線
車両製造メーカー 日立レールイタリア 総合車両製作所
路線距離 32km 34.5km
駅数 21駅 30駅
編成両数 4両 11両
運転方法 自動無人運転 運転士による運転
最高時速 約89km/h 約90km/h
平均時速(停車時間含む) 約48km/h 約33km/h
初乗り運賃(大人) $2.75(※1) 133円
ICカード HOLOカードのみ 国内の交通系ICカード
手荷物 車いす、バギー、スーツケース、サーフボード、自転車もOK 車いす、バギーほか縦/横/高さの合計が250cm以内、自転車は折りたたみのみOK
WiFi 車内WiFiあり 車内WiFiは未対応
運行時間帯 午前4:00から午前0:00まで 午前4:50から午前1:03(※2)
駅までのアクセス キス・アンド・ライド(kiss-and-ride)方式という送り迎え用の一時停車スペースがあるほか、ザ・バスやシャトルバスの乗り入れも検討 各自アクセス

※1:ザ・バス(TheBus)と同じ料金形態なので、均一運賃
※2:東京駅の時刻(品川・渋谷方面)

ハワイ語が採用された駅名

HARTのハワイ語監修チームが駅名を考えており、ハワイの伝統や文化、歴史などを考慮して命名しているそうです。

クアラカイ(Kualaka‘i):イースト・カポレイの最寄り駅
ケオネアエ(Keone‘ae):ハワイ大学ウエストオアフ校の最寄り駅
ホノウリウリ(Honouliuli):ホオピリの最寄り駅
ホーアエアエ(Hō‘ae‘ae):ウェスト・ロックの最寄り駅
ポウハラ(Pouhala):ワイパフ・トランジットセンターの最寄り駅
ハーラウラニ(Hālaulani):リーワード・コミュニティ・カレッジの最寄り駅
ワイアヴァ(Waiawa):パールハイランズの最寄り駅
カラウアオ(Kalauao):パールリッジの最寄り駅
ハラワ(Hālawa):アロハスタジアムの最寄り駅
マカラパ(Makalapa):パールハーバー・ヒッカム空軍基地の最寄り駅
レレパウア(Lelepaua):ダニエル・K・イノウエ国際空港(旧ホノルル国際空港)の最寄り駅
アフア(Āhua):ラグーン・ドライブの最寄り駅
カハウイキ(Kahauiki):ミドルストリート・トランジットセンターの最寄り駅
モカウエア(Mokauea):カリヒの最寄り駅
ニウヘレヴァイ(Niuhelewai):ホノルル・コミュニティ・カレッジの最寄り駅
クーヴィリ(Kūwili):イヴィレイの最寄り駅
ホラウ(Holau):チャイナタウンの最寄り駅
クロロイア(Kuloloia):ダウンタウンの最寄り駅
カアカウククイ(Ka‘ākaukukui):シビックセンターの最寄り駅
クークルアエオ(Kūkuluāe‘o):カカアコの最寄り駅
カリア(Kālia):アラモアナセンターの最寄り駅

将来的には、ハワイカイやノースショア方面にも新路線できてくれたら嬉しいなーと勝手に願っています。

ホノルル・レール・トランジットのこれまでの出来事

2022年

▼2022年5月4日(水)更新

ハワイの鉄道「ホノルル・レール・トランジット(Honolulu Rail Transit)」はルートが短縮された場合、2030年の鉄道利用客数は約84,000人(平日)と予想されます。 アラモアナまで電車が走る場合は1日あたりの乗客は10万人以上と見込まれていました。

参照:Hawaii New Now

▼2022年3月27日(日)更新

工事費の予算不足や建設の遅れが問題となっているハワイの鉄道「ホノルル・レール・トランジット(Honolulu Rail Transit)」。 今度は21駅の予定を19駅に短縮するというプランがホノルル市長より発表されました。この計画が承認されると、カカアコやアラモアナの駅は実現することなく、ダウンタウンとカカアコの境であるハレカウヴィラストリートとサウスストリートの駅が最終地点となります。

参照:Hawaii New Now

▼2022年2月27日(日)更新

ホノルル・レール・トランジットに新たな問題が発生しています。 コンサルタントによると、西側エリアの一部においてレールとレールの幅(軌間)が狭いため、脱線など安全上のトラブルが起こる可能性があるとのこと。

ホノルル高速交通公社(HART)のCEO、ロリ・カヒキナ氏は「この問題を解決することで、90日間の試運転開始前に最高のパフォーマンスが出せることが保証されるでしょう」とメールにて声明を出しています。

参照:Honolulu Civil Beat

2021年

▼2021年10月10日(日)更新

ハワイの鉄道「ホノルル・レール・トランジット(Honolulu Rail Transit)」は、レールと車輪の幅が合わない不具合の調整の見通しがつきません。 また、7月の試運転中にドアが開いたまま走行していた問題についても特にコメントは出ていないそうです。

2021年中の開通は絶望的で、アラモアナまでの全面開通は2031年を予定しています。

参照:The Honolulu Star-Advertiser

▼2021年3月18日(木)更新

いまだ開通していない「ホノルル・レール・トランジット(Honolulu Rail Transit)」は、さらに工事が遅延し、アラモアナまでの全線開通はなんと2031年になると報道がありました。

カポレイからアロハスタジアムまでは2021年3月に開通予定でしたが、1年ほど遅れる見込みとのことです。

参照:Hawaii News Now