ホームレスに薬物…ハワイが抱える社会問題とは
日本のメディアが報じるハワイは、インスタ映えフードにオシャレな街並みばかりですが、住んでみて分かったことは、他の地域同様にハワイは様々な社会問題を抱えているということでした。
具体的にどういう問題があるのか書いていこうと思います。
ホームレスと貧困
ハワイの社会問題として真っ先に出るのがホームレス。
2020年はハワイ州全体で4,448人と報告されていますが(ハワイ州政府の資料より)、なぜこんなに増えてしまったのでしょうか。
高騰する家賃に対し賃金は安く、仕事を掛け持ってやっと生計を立てている人も少なくありません。ぎりぎりの暮らしで職を失えば、住まいもなくし路上生活となるわけです。
また、アメリカの本土から、政府が片道チケットをホームレスに与えハワイに送り込んでくるという話も。
じゃあシェルター(収容施設)や仮設住宅を作って入れてあげればいいじゃないかと思いますが、ホームレスはメンタルに問題があったりドラッグを使っていたりするので、シェルターでの自由が制限される生活を嫌い路上で暮らすことを望んでいる人もいます。
ハワイ州の2020年の貧困率は9.3%でアメリカで6番目に貧困。 これは貧困だけが問題ではないと思いますが、高校を卒業できない子どもも多いのです。
薬物中毒、医療用麻薬の中毒も増加
ハワイではクリスタルメス、通称アイスという依存性の高いドラッグの乱用がだいぶ前から問題になっています。値段が比較的手頃なことからアイスに手を出す人が後を絶たないのだそうです。
街で興奮状態で叫んでいる人を見ると危ないドラッグやってるのかな…と思ってしまいますし、そういう場面に出くわしたら、危険なので近寄らないようにしてください。
近年アメリカ全体で広がっているのは、オピオイドという鎮痛薬の過剰摂取です。
日本では医療用麻薬として取り扱われ一般的な痛み止めとしては処方されることがないのですが、アメリカでは規制が緩く、手に入りやすい背景があります。 オピオイド中毒になり命を落とす人が交通事故での死者を上回ったという記事を読みましたが、処方薬だからまん延が防げず厄介なのかもしれません。
また、マリファナはハワイでは医療用を除いて違法ですが、タバコ並に気軽に吸われている印象があります。
住んでいた部屋で窓を開けていたらどこかから煙が漂っていたり(もしやお隣りさん?)、廊下ですれ違った人からマリファナ臭が…なんてことも。
渋滞といつまでも走らないハワイの電車
ハワイの通勤時間帯の渋滞は最悪です。
特にウエストオアフからタウンのH1(州間高速道路ハワイ1号線)の渋滞がひどい!カポレイに住んでいる会社の先輩は、朝オフィスに来るだけで疲れると話していました。
解消するためのジッパーレーンという車線を調整するシステムがありますが、そのジッパーレーンを動かすジップモービルが故障した日には、道路は完全に機能しなくなります。
渋滞を解消すべく、ハワイで初の電車となるホノルル・レール・トランジットの建設が進んでいますが、予算を大幅にオーバーしてしまい運行開始はまだ先となりそうです。
インフラとブラウンウォーター・アドバイザリー
インフラにも問題があります。
大雨の後はブラウンウォーター・アドバイザリーというものが発令されますが、それは文字の通り「茶色い水注意報」です。
それは何かというと、大量の雨により下水が溢れ出て動物の死骸や便などが海に流れ込み、茶色に変色するというもの。バクテリアが発生してしまい海に入ったら病気を引き起こすため、ビーチがクローズになります。
アラワイ運河も大雨のときはヤバい色になりますからね…。ワイキキの海が茶色に見えたら絶対に入らないでください。
アメリカでビジネスや経済のニュースを発信している「24/7 Wall St.」によると、ハワイのダムは全米で一番崩壊の危険があり、6番目に道路の状態が悪いとのこと。
スターアドバタイザーの記事では、ハワイ州の電気代はアメリカで一番高いということが書かれていました。そのためソーラーパネルを取り入れている家も多いです。
ハワイの社会問題まとめ
メディアではあまり報じられないハワイが抱える社会問題、意外でしたか?でもこれが現実なのです。
他にも個人的に感じていたのは、日本やアメリカ本土に比べるとハワイのインターネットの通信速度は遅いこと。まぁ離島だからなのでしょうかね…。
でも温暖な気候やのんびりさは東京では絶対手に入らないので、慣れてしまえば気にならないこともあるし、物価の高さは「パラダイス・タックス(楽園税)」とみなせば我慢できるのかもしれません。